日本人見つけた!

13.コロラド唯一の職人技!

お久しぶりです!以前ご案内したRamen Starの玉井さんよりご紹介いただき、Ramen Star店内のテーブル等、木工装飾を担当された、コロラドで唯一の日本人木工職人である木田隆之さんにお会いしてきました!


(↑木田さん作のテーブル@Ramen Star)

山がとても近くに感じられるErieにお住まいの木田さん。お伺いした際も、ご自宅兼、作業場(倉庫↓)でもくもくと作業をされていました。

京都府、福知山にある職業訓練校で木工製作に目覚め、修行を積んだ木田さん。その後高松にある、ジョージ・中嶋氏(日系アメリカ人の有名建築家兼、家具デザイナー)から直接技術を伝授され彼のスタイルの家具を製作している会社で更に技術を磨かれました
(ジョージ ナカシマ氏の代表作として、右下↓のコノイドチェアが挙げられます。こちらはご覧の通り、二脚で片持ち梁の斬新で 職人の技が光るデザイン。左下は木田さんの作品)

日本で製作活動を行っていた木田さんがアメリカに来られた理由は、アメリカ人である当時の奥様との間に生まれたハーフのお子様が特別扱いされない場所で子育てをしたかったから、だそう。ボルダーに縁があった奥様の関係でこちらに越されたのが今や30年近く前の話。

これまで担当されたプロジェクトの中には、デンバー・ボタニックガーデンの日本庭園、コロラドスプリングスにあるアメリカ空軍士官学校のチャペル地下にある「禅ルーム」や、レッドフェザーにある高さ3メートルもある鳥居などがあり、同時に、木田さんはKezurou-kai (削ろう会) のデンバー支部代表もされています。

現在はアイディアが出てきたら思いつくまま、手に入る木材で製作をしてみたり、個人のクライアントから頼まれた希有な家具の修理や、世界に一つしかない家具、装飾を製作されています。例えば一つのテーブルを作るのに要する時間は?と尋ねてみたところ、「製作よりもアイディアが浮かぶまでにどれだけ時間がかかるかなんだよね~」とのこと。そのため高度な技術を持つ木田さんの元へ、大手チェーン店等からもオーダーの依頼が入ることがあるそうですが、それよりも個人のお客様で、時間に余裕があり、職人・木田さんに任せてくれるような方からの依頼を受けることが多いそう。また、コロラドでは恐らく木田さんのみが、漆塗りの技術をお持ちのため、漆関連の依頼も受け付けることがあるとのこと。

アメリカに来た当初の若かりし頃は、大きな丸太を切る作業から始め、コロラドの大手建築会社の所有する機材や施設を借り、丸太に乗っかり二人係で大きなチェーンソーを使い製材するような大がかりで体力を必要とする作業もこなしていたそう。現在は、ベテランでありながらも遊び心を忘れず、「アイディアが浮かべばとりあえず何でも作ってみる」精神で、時間に追われることなく、作業自体をとにかく楽しんでおられる木田さん。仕事というよりは、プロなのに毎日趣味を極められているようでとっても笑顔が優しく気さくで素敵な方。

下記はご自宅にあった木田さんの試作品です。障子を張ったランプは、アメリカ人にも好まれそうですよね。数字がついていないのではっきりした時間のわからない時計も↓、なんだかゆったりした生活をされている方には丁度良い時計(急かされない時計?)ですよね、と一緒に笑い合いました。

生まれながらにアーティスト精神に溢れ、今も毎日職人技を極められている木田さん。作業中にも関わらずお話を伺わせていただきありがとうございました!

執筆者プロフィール
モンルイ絵里子

モンルイ絵里子
北海道出身。3人娘の母、コロラド州不動産エージェントとして毎日忙しくもエキサイティングな日々を送っています!15年ほど住んだ大都会のNYから、2019年に夫の仕事の関係でずっと憧れていたデンバーへ家族で移住。大自然に溢れるコロラドが大好きです♪ 「デンバー働く女性の会」非営利団体(コロラド州人認定)の主宰も務める。お家探しやコロラドに関する質問はいつでもお問い合わせください。
 eriko.monlouis@kw.com

自己紹介