デンバーから車を走らせること約5時間。広大な荒野を抜け、ニューメキシコ州にある「タオス・プエブロ」へ向かいました。ここを訪れるのは、今回で2回目です。
アメリカの中にありながら、自分たちの自治体制を貫いている先住民・プエブロ族の集落です。
人々がここで暮らし始めたのは1,000年以上前、日本で言えば平安時代の後半にまでさかのぼります。

↑ アドビの壁の住居
電気も水道もない伝統の暮らし
電気・水道・ガスがありません。
生活水は集落内を流れる小川から汲んでいます。

↑ 集落内を流れる清らかな川(Red Willow Creek / Rio Pueblo de Taos)

↑ 伝統の土窯(オルノ)は屋外オーブン。
そばで子供たちが携帯電話を見ていたのが印象的でした。

↑ アドビの壁は自分たちで泥を塗り直しています。
収入は自分たちの伝統文化
集落自体が世界遺産なので入場料は大きな収入源です。
集落内では各ファミリーでインディアンジュエリーや伝統の陶器(Pottery)・太鼓(Taos Drum)などの伝統工芸品、フライブレッドやパン: 屋外の土窯(オルノ)で焼いた焼き立てのパンなどを販売しています。
特にジュエリーはここでしかない一点ものです。
また、部族事業としてカジノ運営もしています。

↑ ここで入場料を払います。

↑ ガイドの女性が観光グループを案内しています。

↑ 家族で経営するお店で手作りジュエリーなどを販売しています。
度重なる侵略や迫害、奪還の歴史を乗り越えて
忘れてはいけないのは、スペイン統治下の苛酷な弾圧や植民地化、その後のアメリカ合衆国による占領など、悲しい歴史です。
そして粘り強い交渉の末、1970年にはニクソン大統領のもとで「先住民の聖地が完全に返還される」という全米初の歴史的快挙を成し遂げました。

↑ アメリカ軍の砲撃で崩れた旧教会跡の鐘楼と墓地の十字架が残っています。

↑ 再建された現在のサン・ジェロニモ教会の白い門が美しい。
外で暮らす人々にとってもここは大切な「我が家」。
普段は現代的な生活を送りながらも、実家や別荘のように集落へ通い、行事のたびに集まり、手作業で泥壁を塗り直して家を守るプエブロ族もいます。

↑ 伝統を守る役割を担って、陶器を作り続けています。

↑ バイソンのスカルヘッドは重要かつ神聖な象徴とされています。
伝統や精神を、大切に次の世代へ繋いでいく――。それは日本の伝統文化や古い町並みをを残そうとする想いと重なる気がします。
便利になりすぎていく現代の世界から一歩足を踏み入れると、そこにあったのは電気や水道のない生活、そして泥の家・・・。
自然の一部として生きる素朴な生活に、人間の「生きる原点」にそっと戻されたような気分になりました。

【参考資料・公式情報】
・タオス・プエブロ自治政府 公式サイト(Taos Pueblo Official Site)
・ユネスコ世界遺産センター(UNESCO World Heritage Centre)
report by Kayoko B.
