父の忘れられない言葉と願い
2022年の春から4か月ほど、肺がんで末期にいた父を自然に看取るためにずっと一緒にいたのですが、今でも忘れられない会話があります。
私が実家に帰ってきてから毎日アロマを使って父にマッサージしてたら
「アロマって本当に気持ちいいねえ。こういうマッサージって何かアロマの資格とかいるのかい?」
「いや、誰でもできるよ。ちゃんとやり方を学べばね。簡単だよ。特別な大きな資格なんていらないよ。お家で誰でもできるためにあるの」と私が言うと、
「じゃあお母さんもハンドマッサージできるのかな?お母さんの教会に来ている一人暮らしのお婆さんにもやってあげられたらいいね」
「そうだね、それはいいね」
そんな会話をした後、母に教え、ある日母は教会が終わったあとにその一人暮らしのおばあ様にハンドマッサージをしてあげました。
香りと手のふれあいに癒されとても気持ち良かった、と喜ばれたそうです。
その後しばらくして、父の呼吸が苦しくなっているときに手にマッサージをしていたら父が
「そういえばあのお婆さん、ハンドマッサージやってもらえたのかな」
「あ、うん。この前お母さんがやってあげたみたいだよ。とても気持ちいいって喜んでたって。良かったよね」
「そっか。それは良かった。一人暮らしの人はそういうのやってもらえたらいいよね。もっとそういうこと(ハンドマッサージ)が出来る人が増えたらいいのにね」
「そうだね。本当だよね」
父は自分が苦しい時でも死が近づいているときでも自分が受けている癒しを他人も同じように受けることができたらいいのに、と真剣に思っていたようです。
その言葉を聞いて、私は涙をこらえながら無言でマッサージを続けました。あの時の会話は今でもしっかり頭に残り、
本当にもっとこれからアロマで介護できる人を増やそう、もっと自分たちで家族の健康をサポート出来る人を増やそう、という今の自分の後押しになりました。
「周りに癒しを与えられる人を増やす」一人暮らしの人も、どんな人も人生の最期を迎えるまで癒される。
周りに癒しを与えられる人が増えたらどれほど将来の介護が変わるんだろう。
父の願いを心に置きながら周りに癒しを与えられる人と出会いにいきます。
Azusa Kondo
米国認定ヘルス&ライフコーチ、Golden在住。エッセンシャルオイルを使って お薬や病院に頼らない自然な健康アプローチやケミカルフリーのDIYなどのクラスを提供しています。
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