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とことんコロラドライフ 2011年【特集:東日本大震災】

アメリカから東北関東大震災を見る

 まず初めに、東北関東大震災で被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。
そして、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたします。
1人でも多くの方が助かることを願い、被災地域の1日での早い復興を祈らずにはいられません。

 私を含め、アメリカに住んでいる方々は、もちろんもしかしたら被災地域に家族や友人、親戚などがいらっしゃる方もおられるかもしれませんが、地球の反対側の母国で起こった悲劇に、アップデートされるニュースにかじりつきながら、ただただ自らの無力を痛感せざるには終えない日々を送ってらっしゃっると思います。
私の家族や友人は、幸いな事に、首都圏に住んでいる人が大半でしたので、地震後の不自由は否めませんが、地震による直接的な被害は受けずにすみました。
恐らく多くの方がそうであるように、毎日朝起きたときから夜就寝につくまで、常に日本のニュースを見ている日々でしょう。アメリカに来てから日本のテレビ番組を見たことの無かった私でさえ、インターネットでNHKのニュースを毎日観ていました。

 今回の震災は、その地震の規模も人類の記録に残るものの1つになっているだけでなく、その壮絶な津波の影響から、多くの犠牲者・行方不明者を出しています。
そして私にとって何よりも忘れがたい記憶になる理由は、これが私の誕生日だったからです。もちろんアメリカと日本での時差はありますが、日本時間の私の誕生日に今回の悲劇は起こりました。

 日本の外務省の発表では、震災から1週間あまり経った3月19日の時点で、支援の申し入れがあった国の数は128カ国に上り、33の国際機関からの申し入れもあったとありました。日本が承認している国家が193カ国(国連加入国192、未加入1)で、そのうちの128という数は大変心強いです。
しかも日本が承認していない北朝鮮からも支援があったというニュースには、正直驚きました。
アメリカでも大手企業・俳優・ミュージシャン・スポーツ選手等がいち早く募金・救援活動を表明し、かなり高額な寄付金を提供した方々もいた様です。
アメリカのコカ・コーラ社は、当初の清涼飲料水の支援に加え、20億円もの寄付をしたとの報道がありました。
「困ったときはお互い様」そんな人間の優しさが、国境を越えて広がっていく様子を見て、人間決してすてた物じゃないな・・・と感動を覚えました。

 しかしニュース報道を見ていると、やはり被災国とそれを傍観している国とでの温度差がはっきりと浮き彫りになり、報道する内容や焦点、そして残念ながらこれを書いている震災から二週間あまり経った現在のアメリカでは、当初の数日間と比べ、あまり報道される時間が無くなっています。
現地では日に日に死者数・行方不明者数が膨らみ、戦後最大の悲劇となっている上、被災者の方々の苦しい生活とそれに追い討ちをかけるような原発の危機的状況が続いています。
日本のニュースでは原発の情報の他にも、被災地の現状・必要不可欠な物資の情報・そして犠牲者・行方不明者の情報と、さまざまで細かな報道がされています。
しかし、ここアメリカの報道を見ていると一週間も過ぎた辺りから、流されている内容はほぼ原発の話題のみで、しかもこの放射線の影響がアメリカに到達するか否かという話題に重点を置かれています。
日本のテレビを見られるご家庭は違うかもしれませんが、そうでない方々は、情報の乏しさに不安を募らせているかもしれません。


Image credit: DigitalGlobe, Inc.

 地震・津波の発生後の東京電力の対応の仕方には、みなさんそれぞれ色々な意見があるでしょう。東電も被災者であることは間違いなく、そこで働く人たちは昼夜を問わず、放射線の被曝の恐怖と戦いながら、何とか最悪の事態になる事を防ごうと懸命に対応されていると思います。
しかし、何故「想定外」の災害を受けたときの対応を考えていなかったのか、また、何故最初から廃炉を前提に対応に当たらなかったのか等、疑問や問題点が多く残ります。
莫大な建設費を払い作られた原発を簡単には潰せなかったのかもしれません、しかし、今後も原子力発電に頼っていく割合が多いであろう日本で、このような事態の時に地域の住民・国民の安全を第一に考え、対処できないようでは、一向に原発への理解は深まらないでしょう。
私個人の考えでは、原子力発電に対して一口に反対とは言えません。もちろん、そこには「十分な安全性」と、「核廃棄物の処理」の問題のクリアは不可欠です。

  しかし、狭い国土に1億2千万人以上の国民が住み、天然資源の乏しい日本では、電気の供給に対して原発を利用しなければ、十分な電力の供給はできなくなります。
また原子力発電は、化石燃料を使った火力発電に比べると、1kWhあたりの二酸化炭素の排出量は原子力 22グラム・水力 11グラム・LNG火力 608グラム・石油火力 742グラム・石炭火力 975グラムと非常に少なく、これは世界的に問題になっている地球温暖化に対して考えれば、火力発電は原子力発電に比べると、環境には良くないといえるでしょう。
このように多方面から考えると、原発に対し賛成や反対と討論するのでなく、原発を安全に利用していく上で、万一の場合、どのような対応をする事が重要なのかを議論し、備えていく事が重要なのではないでしょうか。
 今回起こっている事態は、被災地や原発周辺地域に対して風評被害をもたらし、農作物などの出荷不可等、色々な二次災害が出つつあります。
国は食物の安全をしっかりと国民に伝え、国民が特に被災地周辺からの地産物の消費が増えるように働きかけていってもらいたいものです。

 アメリカに住んでいる私たちにできることはそれほど多くは無いかもしれません。
しかし日本人として、今の日本の危機的状況と、正確な情報を海外の人たちに伝え、募金への協力や、日本製品の(特に食料品等の)非買などする必要が無いことを理解してもらう等はできると思います。
私も毎日、日本にいる家族や友人からの情報、そしてニュースなどで取り上げられた情報などを元に、今回の被災地が本当の復興を遂げるまで、今できること・これからできる事を常に考えています。

 

RYO

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