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とことんコロラドライフ 2002年10月号

9月11日から1年

一年前のちょうど今日、子供を学校に送ることで忙しくしていた私、
ふっと見上げた空が青くてとても気持ちよかったのに買い物に行こうと呑気に思っていた矢先にこんな恐ろしいことが起こるなんて。
お天気予報を見ようと思ってTVをつけたらWTCから煙が出てて、それでも旦那と呑気に「これって一瞬にしてビルを倒壊させるって言うショウかな?それとも火事?」なんて、
話しててまさかテロだなんて思わなかった。その後に隣のビルに飛行機が突っ込むまでは・・・。 だんだん日本の友達や家族から心配のメールや電話を受けて事件について逆に教えてもらったりして・・。
ニュースは ずっとかかってるけどいまいち詳しいこと分からなくいた。

その後、アメリカ在住13年のY子さんに解説してもらいながら一緒にTVを見るうちだんだん分かってきた。 「なんでこんな事するわけ?」ビルに居た人もハイジャックされた飛行機に乗っていた人もなんて 運命なんだろうそんなことが起こるなんて思いもせず、朝いつものように家を出たのだろうに。 飛行機に乗ってた人の中に小さい子とお母さんがいたそうだけどどんな思いで最後を迎えたかと思うと胸が締め付けられる。

あれから一年経って私の生活もほぼ普通に戻りつつある。まだ住んで1年半足らずだからそんなに アメリカに対して執着はないけどこの国の愛国心には感動している。 まさかこれから住んでいく国が戦争する事になるなんて夢にも思わなかった。 犯人には罪を償う義務があるけど、戦争することによってまた誰かが死んでその家族が悲しむのは目に見えている。
とても複雑な思いです。見守るしかできない何億人の人々!こんな時にビーチで遊んだり、釣りしたり平和そのものの毎日。
だけど、何かそういう事に後ろめたさ感じる。

同時多発テロ

なんだかなぁ〜・・という言葉しかでないこの事件。なんでこうなるのかなぁと頭のなかでぐるぐる回るばかり。
ニュースで「報復攻撃」などという言葉を聞くたびに、ドキッっとします。報復、報復ってよくそんな簡単に言えるもんだわ・・。報復ってことは復讐ってことで、昔風に言えばあだ討ちってことですよね・・。もし自分の身内が誰かに殺されて「あだ討ちでござる〜」って相手を殺した場合は罪になり、国の力で報復した場合は「正義」になるんでしょうか。
一人殺せば殺人犯だが、戦争で100人殺せばヒーローだ、なんて言葉もありますが、アメリカの言う「正義」とか「善」とか「悪の手先に制裁を」なんて空々しいセリフを聞くたびに私の中でアメリカに対する嫌悪感がますます深まってしまう。
なんだかなぁ〜・・・。

しかし実際にあのテロで直接的であれ、間接的であれ、なんらかの被害を受けた人が、憎しみを持つのは当然で、それを平和的に解決しようなんて所詮無理な話しであるのも事実でしょう。それは自分たちが実際に受けた目に見える苦しみなのだから・・。そういう人たちに、なぜアメリカが狙われたのかなどという理由など意味のないもの。あるのは、ただ単にこんなことをする人達を許してなるものか、という憎しみのみ。
じゃあ、今までアメリカがやってきたことは全て正しいものなのでしょうか。今年にはいってもアメリカは突然何の意味もない(というかアメリカにだけ意味のある)イラクの空爆をやってのけています。その被害にあった人達にとって、なぜアメリカが自分たちを狙うのかなどというものは意味のないもので、あるのはアメリカに対する憎しみだけなのではないでしょうか。
イスラム社会に干渉しすぎたり、国際機関を自分たちに有利になるために動かしたりと、問題行動も多々あるのに、それをアメリカは、常に自分たちが正しい、我々のしていることは「世界平和のため」なのだ、と毎回同じ理由を繰りかえすのみ。
どうしてもジャイアンのように見えてしまう。そして日本はその横で「はい、はい、その通りでございます」とご機嫌をとるスネ夫に見えてしまう。
なんだかなぁ〜・・・。

それにしても今回のあの映像は衝撃的すぎて、WTCの2つめのビルが崩れていく瞬間、私はなぜか感傷的になってしまい思わず泣いてしまいました。特にあのビルに思い入れがあるわけでもなんでもないのですが、どうも建物が壊れるというのに反応してしまうよう。あの中に何人の人がいるのか・・ということは、想像するのも恐ろしくあえて考えないようにしてしまいました。それにしてもこれだけの建物を作るのにどれだけの労力が費やされたのか。それをこんな一瞬で破壊してしまう。人間ってどこまでも愚かだなぁと思うと気持ちは暗くなるばかり。
まるでハリウッド映画の1シーンのような光景だ、と誰もが思ったようですが、これからのアメリカ映画はもう今までみたいな、どたばたアクションものは当分作れないことでしょう。私は昔よく映画を見ていましたが、ここ数年「全米ナンバー1超大作うんぬん」と名のつくようなアクション映画はまったく見なくなっていました。

なんらかの敵(テロであったり宇宙人であったり)がやってきて、それをアメリカが見事打倒し世界平和を守るヒーローもの。毎回、毎回同じような爆破シーン。今まではそれがバーチャルで自分たちは常に安全なところからそれを見る、という図式だったのに、今後はそれらがすべて自分に起こりえるかもしれない恐怖感。そんなもの誰が見たいでしょうか。結局あーいう映画を飽きもせず今まで作ってこれたのは、やはり平和ボケしていたのだとしか思えません。
今回事件の後、「アメリカの被害を喜ぶイスラムの子供たち」の映像が流れ、それがもう許せなかった!!という意見をあちこちのサイトで見かけました。私自身はその映像を見ていないので、どういうものかわかりませんが、また別のサイトでは「いや、あれは今回の映像ではなくて以前あった別の事件の時の映像だった」という情報も見ました。
これって恐ろしいことだなぁと思う私。情報操作とでもいうのでしょうか。ビルが崩れていくシーンの次に、喜びにわきかえるイスラム社会の関係ない映像を流す・・。これだけのことで反イスラム感情はあっという間に私たちの心に忍びこみ、「なんだ!イスラムの人間は。やっぱり危ない奴らだ。早くなんとかしなければ・・!」という思いに駆りたてられてしまう・・。マスメディアの情報を流す方法一つで、世論はいくらでも過激に変ってしまう・・。
しかし、全世界の真実なんて誰にもわからないもので、こうやっていろいろ考えるのも結局は誰かによってもたらされた情報が根幹にあるわけで・・。そう考えるといったい何が真実で、何がウソで、誰が正しくて、誰が間違っているとか、もうそういうことがわけわからなくなってしまうのです。
で、出てくる言葉は、なんだかなぁ〜・・。

今回のことで何の関係もないイスラムの人たちが差別にあっているという話しもぽつぽつ入ってきました。これこそがまた人間の弱さだよなぁと思う私。不安から身を守りたいという本能は理性にはかなわないものなのでしょうか。
例えば今この時点でアメリカ行きの飛行機にどうしても乗らないといけない、航空会社はアメリカンエアライン。ふと横の乗客を見るとアラブ系である。前の座席にも数人乗っている、あ、真後ろの席も・・。もし私がこんな状況に置かれたらやはり理由抜きで不安になることでしょう。
しかし疑われる方としてはとんでもない話しで、「イスラムというひとくくりで見ないでくれ」と訴えたくなるのは当然で・・。集団のほんの一部の人たちの行動がその集団すべてを表しているなどという考えは浅はかなものですが、それを理解するのには冷静な判断力と正しい情報が必要となるのでしょう。何の関係もないイスラムの人たちが被害に遭わないことを祈るばかりです。
これからの社会はどうなっていくのか。アメリカはこのままでは引き下がらないのは、今までの例から明らかですが、じゃあ、日本はどうするのか。また湾岸戦争の時のように、お金だけぼったくられて蔑まされるだけなのか。どういう行動をとるのが一番いいのか・・。どんな行動をとるにしても、「アメリカさん、こんなもんでどうでしょうねぇ?」なんて、上目遣いで相手の評価を待つような態度だけはとらないで欲しい。
結局、後方支援しようが、しまいが、お金をだそうが、ださまいと、最終的には馬鹿にされるのはわかってるんだから、「日本ができるのはここまでだ!」と何と言われようと堂々とした立場を表明したい・・などなどつらつら考えていても、そんなことここで私が一人悩んでもどうしようもない話しなんだよなぁと思ってしまう。
ああー、なんだかなぁ〜・・。

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